松田哲也税理士事務所

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あれから1年、私が見た陸前高田市

「この峠を越えると被災地です」


そのドライバーの言葉から、私たちは言葉を失いました。峠を越えて私たちの眼下に広がったものは…。そこが被災地であると知らされていなければ、ただの未開の平野にしか眼に写りません。
 市役所、消防署、県立病院やショッピングモールなどの残骸が点々と残されている光景に、改めてここは「被災地である」ことを現地は証明しています。そこには、人や動物の気配は全くなく音もなく、唯一、海岸近くで瓦礫処理をしている2~3台のショベルカーの音がさみしく聞こえるだけでした。
  
現地をまわりながらドライバーから念のためにと「できれば、次の言葉は現地の方に言わないでほしい」と、忠告がありました。その言葉とは、「いかがですか」「大変だったでしょう」「どうでしたか」「お悔やみ(お見舞い)申し上げます」「ご家族の方や家はどう なりましたか」「避難所生活はいかがで すか」  現地の方々はこの1年間、いやというほど聞かされてきた言葉だからです。

 そうこうするうちに、車は今回の訪問先である菅原みき子さんが待つ「げん氣ハウス」に到着します。しかしドライバーの話を聞かされた私たちは何をしゃべっていいかわかりませんでした。
 事前に私たちは明るく振舞おうと打合せをしていましたが、「こんにちは、初めまして」以外の言葉が続きません。 なにより菅原さんから「おうどん美味しかったですよ」の言葉に救われました。
 そのあとすぐに私の方から「まずは自己紹介をしましょう」と呼びかけたところ、菅原さんを含む5名の現地の方は「恥ずかしいなぁ」といいながらも、それぞれが、それぞれの言葉で自己紹介をしていただきました。それからは、お互いがとけあうことができ、菅原さんを中心に「3.11」から今日にいたるまでのお話をいろいろとお伺いすることができました。 しかし、それに対して私たちは返す言葉もなく、ただただお話をお伺いし、うなずき返すくらいしかできなかったのが現実でした。
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