松田哲也税理士事務所

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老舗菓子舗たねやの「末廣正統苑」に学ぶ

皆さんは、「末廣正統苑」をご存知でしょうか?近江八幡から全国区へと躍進を遂げた創業141年の老舗菓子舗の「たねや」の経営方針(指針)書といわれるこの「末廣正統苑」は、「たねや」の経営のかじ取りを長年行ってきた名誉会長の山本徳次氏が、近江商人の遺訓や、先代から叩き込まれた商いの心得をまとめたものです。そこには、まさに商道の原理原則が綴られています。
その一部をご紹介します。

商ひの荷は往復天平(りょうみちてんびん)なるべきこと
されど戻り天平の荷は商物にあらず
選びて世間様へのお返しの荷をのせて戻るべし

家をあけ 遠方にまで商ひに行けるのも
又途次困りしとき 病めるとき 身体を傷めしとき
他人様の温かき情に如何程助けられしか
思ふに他人様のおかげなしには
商ひも生活もなりゆかぬと
御礼心の荷をさげて戻りしを
近江商人の「もどり天平」と謂ふなり

近江商人は
「商ひが面白き故に」といふより
喜び下さるお客様の心が嬉しゅうてならず
又他人様の温かき心に励まされ
お応えヘしとうて天平棒をにない
八方の街道を歩み続けしものなり

近江商人が担いでいた天秤棒の荷は往く時も帰る時もたくさんの荷物を積んでないといけない。しかし、自分のふるさとへと急ぎ帰る時の荷は、単なる売りさばくときの商品やのうて、留守居を守ってくれたり、旅の期間中いろいろと世話になったであろうふるさとの世間様に喜んでもらえるような心と感謝の荷を用意して帰らんといけませんよ、という訓えです。自分さえよければそれでよいというのではなく、世間に対する恩義というものを決して忘れてはならない、ということが書かれています。
近江商人は、このことを殊さら大切したそうです。人はついつい目先の自分だけのことを考えがちになります。だからこそ近江商人は自らをきびしく戒めたのではないでしょうか。
近江商人は、さらに「先義後利(せんぎこうり)」という素晴らしい訓えを遺しています。まずは他人に対する義理が先、利益はその結果、後からついてくるものという意味です。現代社会では、「義理や人情で商売なんかできるかい」ということばが飛んできそうですが、近江商人は商人として「先義後利」と言い切ったこのことばと心意気は力強く見事なものではないでしょうか。
人としての道はきちんと踏まなければいけませんよと「先義後利」は言っています。

弊事務所では経営指針書の「私たちの約束」に「顧問先とともに」と題して「志を同じくする顧問先様と、よきパートナーシップで連帯します。そして、誠心誠意、目標に向けて、互恵の努力を続けます。さらに、透明な会計処理はもとより、質の高い成長を通じた適正納税と健全な経営指導により、顧問先の理解と共感を得る活動に努めます」を掲げていますが、この末廣正統苑で学んだ「往復天平」と「先義後利」を教えとし、弊事務所においては、お客様の喜び本当の利益であり、また、お客様の笑顔が弊事務所のさらなる成長を保証するものであることを来期の「経営指針書」に掲げて、社員はもちろん、顧問先様と共有してまいりたいと思います。

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